新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本政府は2020年4月7日に「緊急事態宣言」を発令する見通しです。
日本という国が今まで以上に重大な局面を迎えていることが感じられますね。
ところでこの「緊急事態宣言」という言葉、今回のコロナウイルス感染拡大に伴って初めて耳にしたという人も多いと思いますが、実は過去にも発令されたことがあるんです。
今回は、過去日本で発令された「緊急事態宣言」の事例についてご紹介します。
日本が過去に緊急事態宣言を発令した事例
太平洋戦争開戦
1941年12月8日、太平洋戦争の開戦に伴い日本政府から緊急事態宣言が発令されました。
やはり戦争という局面は「緊急事態」そのものですよね。
このときの緊急事態宣言によって国民に対して具体的にどのような指示が出たのかは確認できませんでしたが、戦争という緊急事態に伴い、一定程度国民の人権を制限するような事態になったのではないかと考えられます。
福島第一原発
東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、2011年3月11日に発令されました。
これは「原子力災害特別措置法」という法律に基づくもので、これにより内閣総理大臣が地方自治体や原子力事業者を直接指揮し、災害拡大防止や避難などを指示することが出来るようになりました。
つまり、福島第一原子力発電所に関連する全権が内閣総理大臣に集中することになったんですね。
結果として、福島第一原子力発電所の半径20kmの住民に対して避難指示が、半径20kmから30kmの住民に対して屋内退避指示出されました。
避難指示の範囲は少しずつ狭まってきてはいるものの、今なお故郷に帰れない方々は大勢いらっしゃいます。
また注目すべきなのは、非常事態宣言自体は今でも解除されていないことです。(2020年4月6日時点)
原子力災害特別措置法の中には、次のような記述があります。
内閣総理大臣は、原子力緊急事態宣言をした後、原子力災害の拡大の防止を図るための応急の対策を実施する必要がなくなったと認めるときは、速やかに原子力規制委員会(旧原子力安全委員会)の意見を聴いて、原子力緊急事態の解除を行う旨の公示(以下「原子力緊急事態解除宣言」という。)をするものとする。
引用:原子力災害特別措置法 第十五条
簡単に言うと、「緊急事態を脱したらすぐに緊急事態宣言の解除をする」というものですが、前述の通り現時点で解除はされていません。
つまり、「福島第一原子力発電所は今でも緊急事態の真っただ中」というわけなんですね。
もちろんある程度のコントロール化に置かれているとは思いますが、この原発事故が今なお重大な問題として残っていることは紛れもない事実です。
福島第二原発
福島第一原子力発電所と同じく、東日本大震災による事故に伴って緊急事態宣言が発令されました。
最大で半径10kmの住民に避難指示が出されています。
その後、政府は「原子炉が冷温停止し、安全機能の多重化が図られ、余震、津波等への対応がとられていると考える」と発表し、2011年12月26日に緊急事態宣言を解除しました。
緊急事態宣言が発令されたらどうなる?
緊急事態宣言が発令されることによる主な影響はご覧の通りです。
- 外出自粛は「要請」
- 学校やイベントの自粛も「要請」
- ライフライン・公共交通機関は基本的に平常通り
- 臨時の医療施設を開設するために、都道府県は土地や建物を所有者の同意を得ずに使えるように
- 業者に対して、医薬品や食料、それにマスクなどの衛生用品の売り渡しを要請できるように
- 重症患者を優先し、軽症患者などは宿泊施設や自宅に
あくまでざっくりした内容です。
詳細は政府発表などをご確認ください。
個人的には緊急事態宣言が出されることによる「意識の高まり」が最も大きな効果ではないかと思っています。
まとめ
緊急事態宣言は身近なワードではありませんが、意外と過去にも発令されたことがあるんですね。
特に福島第一原子力発電所の緊急事態宣言が未だに継続中ということは、認識が無い人も多いのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染拡大により、いよいよ日本も緊急事態宣言です。
これまで以上に気を引き締めて、1日でも早い収束を目指しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。