こんにちは!ユノタロウです。
新型コロナウイルスの影響で子供たちの学校開始が遅れ、世の中では9月入学導入への熱が高まっていますね。
そんな中で先日浮上したのが、「小学ゼロ年生」案です。
これは、9月から小学1年生になるよりも前に、4月から「ゼロ年生」として入学させるという案ですが、世の中では早くも賛否両論が巻き起こっています。
そこで今回は、
- 「小学ゼロ年生」案のメリット
- 「小学ゼロ年生」案のデメリット
- 「小学ゼロ年生」案が実際に導入される可能性
について調べてみました。
小さなお子さんを持つ親だけでなく、今後親となる可能性がある若者にとっても重要な問題です。
この記事を読んで、一緒に考えてみましょう!
Contents
「小学ゼロ年生」案のメリット
メリット
- 9月入学に伴う待機児童が発生しない
- 学校に馴染むための大きな余裕になる
- 教育の機会が増える
- 教育の遅れ解消・グローバル化進展・真冬の受験期による混乱回避
9月入学に伴う待機児童が発生しない
「小学ゼロ年生」案を導入すると、卒園後の4月から学校に通うことになり、待機児童の発生を抑えることができます。
9月入学を導入する際の大きな問題点として、幼稚園や保育園を卒園する3月から小学校入学となる9月までの約5か月間、自宅で過ごさなければならない待機児童が多く発生するという点があります。
一部報道によれば、その数は全国で約 26.5 万人となり、2019年4 月時点の待機児童数の約 16 倍にのぼるとのこと。
小学校入学前の子供と言えば一人で留守番させるにはまだまだ不安が残る年齢ですし、共働きのご家庭にとっては死活問題ですよね。
我が家も夫婦で働いているため、5か月間子供の預け先を確保しなければならないとなると非常に困ります。
そういったご家庭にとっては、9月入学の導入にあたり「小学ゼロ年生」案は必要不可欠なものになるのではないでしょうか。
学校に馴染むための大きな余裕になる
1年生にとって、幼稚園や保育園とは異なる「学校」という新しい環境は緊張してしまうものですよね。
子供によっては、生活リズムや自分の居場所を作るのに多くの時間が掛かってしまう場合もあるでしょう。
そういった観点で見ると、約半年分の時間がプラスアルファとして与えられることは、子供が学校に馴染むための大きな余裕になると考えられます。
ゼロ年生としての期間にどのような学習を行うかはまだ決まっていませんが、1年生となる約半年間の中でゆっくりと学校に馴染むことができれば、その後もスムーズに学校生活を送ることができますよね!
教育の機会が増える
「小学ゼロ年生」案を導入することにより、単純に「教育機会が増える」ということも、メリットの1つと言えるでしょう。
現状の6年課程が6.5年課程に増え、約半年間分の余剰機会が生まれます。
これにより、詰め込み過ぎないゆとりのある教育が可能となり、勉強についてこれない子供にも寄り添った授業ができると考えられます。
教育の遅れ解消・グローバル化進展・真冬の受験期による混乱回避
「小学ゼロ年生」案に限らず、9月入学の導入には次のような共通したメリットもあります。
教育の遅れ解消
コロナウイルスの影響で全国の学校が休校となり、子供たちへの教育の遅れが生じています。
また、地域による学校再開状況の違いや自宅での学習環境の違いにより、子供たちの学ぶ機会に差が生じているという点も問題となっています。
こういった遅れや不平等を解消することができるという点は、9月入学導入の大きなメリットと言えるでしょう。
グローバル化進展
海外においては9月入学がスタンダードであり、日本も足並みを揃えることで教育のグローバル化を進めることができます。
具体的には大学生レベルの話になってしまいますが、海外の学生が日本の学校を留学先として選びやすくなったり、逆に日本の学生が海外留学に挑戦しやすくなります。
現状のように日本と海外で卒入学のタイミングが異なると、海外留学をすることで帰国後に留年となってしまうケースも考えられますので、9月入学であればそういったリスクが解消されますよね!
真冬の受験期による混乱回避
9月入学にすることで受験シーズンが5~6月にズレることとなり、インフルエンザなどの感染症、大雪などによる交通障害といったリスクを避けることができます。
現状の受験シーズンである1~2月はインフルエンザの流行時期と重なっており、受験生本人はもちろんのこと、その家族も気が気ではありませんよね。
また個人的には、真冬のクソ寒い中よりも気候的に安定した5月くらいの方が勉強効率も良いのでは?と感じています。
「小学ゼロ年生」案のデメリット
デメリット
- 同学年中の年齢差拡大
- 一部の園児については「年長」としての期間が失われる
- 教育現場の負担増
- 教員・教室の不足
同学年中の年齢差拡大
「小学ゼロ年生」案を来年から9月入学を導入するとした場合、来年3月に幼稚園や保育園を卒園する現在の年長全員と、現在の年中のうち4月2日から6月1日生まれの子供が対象です。
つまり、同じ学年の中での年齢差は最大で約14カ月となってしまうのです!
特に年齢が小さいうちは、数か月の年齢差であっても発達段階に大きな違いがあります。
14か月ともなると、精神面・体力面共に大きな差が生じてしまうことは間違いありません。
将来的なことを考えても、受験や就職活動についても1年以上異なる年齢間で競い合うこととなり、場合によっては生まれたタイミングが不利に働く事態になり得るでしょう。
親としても、生まれたタイミングで我が子が苦労するのは心配ですよね。
私も5歳の子供を持つ父親ですが、この点は本当に気になります。
一部の園児については「年長」としての期間が失われる
現在検討されている対象に従えば、現在の年中のうち4月2日から6月1日生まれの子供については、年長に上がることなくいきなり小学ゼロ年生となります。
子供たちの中には年長に上がることを楽しみにしている子も多いと思いますし、年長ならではの行事や経験ができなくなることは親としても寂しいですよね。
また、自分だけ小学ゼロ年生となり仲良しのお友達とお別れしなければならない子供については、心のケアも必要になるでしょう。
我が家の息子はつい先日年長に上がったばかりですが、もしも年長を経験せずに今の段階で小学生に上がるとなると、精神的にも体力的にも大きな不安を感じます。
なにより、年長としての時間も子供の成長の中で大切な時間の1つですので、それが奪われることは親として絶対に避けて欲しいと考えています。
教育現場の負担増
現状、小学ゼロ年生に対しどのような教育を実施するかは発表されていません。
ただ、どのような方針が出されたとしても、具体的な教育方法やカリキュラムを考えるのは実際の現場です。
今でさえ教職員の方々の負担が問題視されている中で、さらなる負担が増えることは大きな混乱を招くことにつながると考えられます。
教員・教室の不足
「小学ゼロ年生」案の導入により1学年あたりの人数が増加しますので、当然ながら現場の教員や教室を増やす必要性も生じてきます。
一部報道によれば、「小学ゼロ年生」案の導入に関わらず、9月入学にすることにより不足する教職員の数は28,100人にのぼるということです。
なんとも膨大な数ですね…。
不足したままのスタートとなれば、しわ寄せを食うのは子供たちです。
子供たちが適切な環境で教育を受けられるよう、国には慎重な検討をしてもらいたいと思います。
「小学ゼロ年生」案が実際に導入される可能性は?
私の予想では、少なくとも今年の9月から「小学ゼロ年生」案が導入される可能性は低いと思います。
その理由として、導入にあたっての課題が多すぎることが言えます。
コロナ対策に国や現場が奔走する中、これらの課題を解消して制度を導入することは難しいでしょう。
課題解消が中途半端なまま制度の導入を進めることは、現場に対し大きな混乱を招くことは間違いありません。
ただ、グローバル標準に合わせるという観点から見ると、将来的に導入される可能性は十分にあります。
今後しばらくは丁寧な議論を重ね、数年後に万全な状態で制度導入に踏み切るという道がベストではないでしょうか。
まとめ
今回は、
- 「小学ゼロ年生」案のメリット
- 「小学ゼロ年生」案のデメリット
- 「小学ゼロ年生」案が実際に導入される可能性
について調べてみました。
メリット
- 9月入学に伴う待機児童が発生しない
- 学校に馴染むための大きな余裕になる
- 教育の機会が増える
- 教育の遅れ解消・グローバル化進展・真冬の受験期による混乱回避
デメリット
- 同学年中の年齢差拡大
- 一部の園児については「年長」としての期間が失われる
- 教育現場の負担増
- 教員・教室の不足
小学ゼロ年生、9月入学制度の導入にはメリットもデメリットも多くあります。
唯一間違いの無いことは、「子供たちにしわ寄せがいく制度であってはならない」ということではないでしょうか。
導入するにしろそうでないにしろ、子供たちが今以上に適切な教育を受けられるような結論に至ってほしいですね。
今後の動向に注目していきましょう!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。